
神の雫のワインを飲む シャトー・モンペラ感想
木曜日, 21 11月 2013
「えー。国産のワイン!?」
なんてと思っていましたが、「神の雫」で国産ワインが登場。そして、これがフランスのワインと比べても「美味しい」と評価大。
日本人から見れば和食に合うワイン、そして、フランス人から見ればフレンチに合うワインとして、紹介されたのが、この「登美」。
「登美 赤 1997」は2000年にボルドーの権威ある国際コンクール「レ シタデル デュ ヴァン」で日本初の「金賞」を受賞。
2002、2003年の国際コンペティション(スロベニア)で金賞。
2006年に「レ シタデル デュ ヴァン」(ボルドー)で銅賞。
2007年、2009年、2011年に「シャルドネ・デュ・モンド」(ブルゴーニュ)で銅賞、銀賞。
2011年に「レ シタデル デュ ヴァン」(ボルドー)で銀賞。国産ワインコンクールで銀賞・銅賞。
2012年に国際コンペティション(イギリス)で銀賞、銅賞。「レ シタデル デュ ヴァン」(ボルドー)銀賞。国産ワインコンクールで金賞、銀賞。ジャパンワインチャレンジで銀賞。
2013年に国際コンペティション(イギリス)で銀賞。「レ シタデル デュ ヴァン」(ボルドー)で日本ワイン特別賞/金賞を受賞。
これだけの受賞歴を見せつけられると、飲みたくなるのが人情です(笑)。
国産ワインですし、応援したいですよね。
しかしそのお値段、12,600円(登美 赤)、10,500円(登美 白)。
清水の舞台から飛び降りなくちゃいけないほど、強気なお値段です。美味しくなくちゃ許されない価格でもあります・・・。うぐぐ・・一口でいいから味を知りたい・・・。
そんな私達に朗報!
サントリー 登美の丘ワイナリーで、これらのワインを含む総額8万円以上のワインを3,000円で試飲できるツアーを発見。
これは行くっきゃない!
さらに輸入チーズや高級チョコも付いているんです。太っ腹!!!すごくない?すごくない?
さて、ワイナリー見学前のランチで「登美」の格下ライン「登美の丘」(赤)をオーダー。
グラスを傾けてみると香りがはまろやかながらやや薄い・・・。味は酸味・苦味があり香りから想像するよりは濃い目。だけど深みは乏しい・・・!
ざ・・・ざんねん!西欧の豪華な深みがもっと欲しく、重厚さが少ない。西洋ワインが重厚なヴェルヴェットのカーテンだとすると、日本家屋っぽいさっぱり感があるのはどうしても否めません。
日本人だから日本贔屓に書きたいところですが、苦しみながら正直に書きます・・・。
雨が多い日本ではどうしても果実が水っぽくなってしまうのでしょう。「雨量」という残酷な壁を感じたのでした。
そんないきさつがあって挑んだ試飲会。
会場はなんとワイン貯蔵庫の中の一室。窓のない天然石の壁とアーチの天井が、中世の秘密会合っぽい雰囲気(笑)。素敵です。
そして、テイスティングしたワインのリストがこれ。
輝きのある黄色。果実を感じる華やかな香りとアーモンドのような香ばしい香り。
薄張りガラスがキラキラとグラスを舞うような繊細な輝きのある味。フルーティな酸味、苦味、香り、自然な甘さなど、味の波が次々に覆いかぶさるようにやってきて余韻が長く楽しめます。樽香と思われるバニラ香りが強く感じられ、個人的にはクドくなるので、もう少し控え目が好みです。
なのですが、「塩キャラメルホワイトチョコレート」(下記画像 左下)とのマリアージュには惚れました。う・・・うまひ〜〜〜!!!
強すぎると思っていたバニラ香とキャラメル香がミックスして、トロ〜ンと融け合い、ロンロンと踊っているようです。その最後にきゅっとしたワインの爽やかな酸味がアクセントを添えて、オトナかつおしゃれです。
ちょっとしたデザート気分です。これは会場でもたいへん人気がありました。
「これだ!!」が開口一口目でした。
それくらいランチで飲んだ「登美の丘(赤)」との格の違いがあったのです。
濃さや華やぎが全然違います。
凝縮されたしっかりとした渋みやボリュームがあり、雨量の多さを克服しています。
渋みはしっかりしているけど角が取れていて、凝縮感たっぷりのワインです。ほのかにやわらかな甘さがあり、高級感もしっかり。
合わせたのはゴーダチーズの「アムステルダム」(上記画像 右下参照)。アミノ酸たっぷりのチーズのザラザラ感とワインのシブシブ感がよく合います。うまいっ!旨味の重さとワインの重さがちょうどよく◎。
香りが芳醇で、飲む前から期待値が上がります。
「やっぱりこっちだ!!!」が一口目の感想。前述のカベルネも美味しかったのですが、その上を行く美味しさです。まろやかさが違います。高額ラインならではの円熟味もあり。
骨太でありながら渋みや苦味の角が取れていて、優雅さ、やわらかさ、優しい甘さがミクスチャーしています。円熟した女将の雰囲気です。さすが最高峰。こちらも樽香と思われるバニラ香がやや強めです。
合わせたのは、旨味爆弾的なゴーダチーズではなく、よりまろやかな青カビチーズの「キャステロブルー」(上記画像 右上参照)。くをぉ〜とろける〜。まろやかさがワインの丸みとよく合い、塩気が甘さを引き立てていました。これぞマリアージュの醍醐味だ〜。
光り輝く太陽のような陽気さはありませんが、骨太でどっしりとした優雅さのあるワイン。
高温多湿の悪条件の中で、どうやってこの凝縮感を造ったのでしょう。
このワインに比べて自分の努力なんてぜんぜん大したことない・・・なんてちょっぴり反省したほどです(苦笑)。
レーズンエキスそのものだ!と思いました。香りもレーズンの袋を開けた時の香りそっくり。レーズンのような粘りはなくスルスルと口の中を滑ります。
合わせたのは、ナッツやドライフルーツが入った抹茶のチョコレート(上記画像 左上参照)。
この組み合わせが素晴らしくて、まるでフルーツいっぱいのパウンドケーキのシロップをペロペロしているみたいです。熟したフルーツ感が美味しくて幸せで、いつまでも口の中でピチャピチャと転がしておきたい・・・。そのままで飲むよりも、スイーツと合わせたほうが美味しいワインだと思いました。
こちらは大変希少価値の高いものだそうです。古酒のような雰囲気でした。キンとくる鋭さがあり、その後甘さが舌を滑ります。レーズンやバニラ香があり、香りも強いです。
個人的にはあまり合わなかったのですが、珍しさもあり素敵なプレゼンでした。
格下のワインを飲むと、気候条件による葡萄の水っぽさは残酷にも味に表れてしまいます。
でも、「登美の丘 カベルネ・ソーヴィニヨン」からの豪華な凝縮感は、感動するほどにしっかり気候条件を克服しています。まさにミラクルです。美味しいです。
「日本のワインをためしてみるか〜」と言う時は、ちょっとがんばって6,000〜7,000円クラスからのほうがオススメです。ただ世界と比べるとやっぱり割高ですけど、日本ワインの本当の実力が分かります。
おまけですが、本当にチーズとチョコレートがほんとうに美味しかった〜(笑)。
ワインは試飲とは言え、チーズ代・チョコ代と人件費を考えたらトントンか赤字なのでは?と思いました。チーズは輸入チーズ(しかも余るほど)、チョコ(2種)もデパートで売っているようなもので単品でもめちゃくちゃ美味しかったです。
マリアージュも素晴らしかったです。社員のみなさんで沢山の組み合わせを実際に研究されたのだそうです。真摯な情熱が伝わってきます。すごく楽しめました。
サントリーさん、本当に本当にありがとうございました。素晴らしいワイナリー&テイスティング会でした。